
7月2日に全国公開となった劇場アニメ『鋼の錬金術師 嘆きの丘(ミロス)の聖なる星』の興行が快進撃を続けている。公開最初の週末の1スクリーンあたりの平均興収(スクリーンアベレッジ)で第1位を獲得したのに続き、7月9日の週末もスクリーンアベレッジ1位を獲得した。
いわば2週連続で最も劇場内の密度の高かった作品となった。依然衰えを見せぬハガレン人気の大きさを示したかたちだ。
こうした勢いは今後、さらに海外に広がりそうだ。世界各国での展開が次々に決定しているからだ。アジア、ヨーロッパ、北米と次々に作品が姿を見せる。
まず、世界最大のエンタテインメント市場米国では、2012年春に全米公開予定が決定した。7月29日には、ボルチモアで開催されるアメリカ東海岸の最大の日本アニメ・マンガイベントOTAKONにて北米プレミア上映が開催される。会場には本作の村田和也監督が公式ゲストとして招待されている。来春の劇場公開予定の詳細は不明だが、この場で作品の今後の北米展開も披露されそうだ。
また、香港では7月29日から開催されるアニメ・コミック・イベントACG HKで前売りを開始。11月上旬に、香港にある8館で上映を行う。香港の劇場数は全部30館のため、その1/4で公開されることになる。シンガポールでは8月26日から一般公開、台湾での今秋に劇場公開も決定済み。
フランス・パリでは、先頃開催されたJAPAN EXPOで日本と同日上映を実施し、地元のファンから熱い歓迎を受けた。今後のさらなる動きが期待されるところだ。
「鋼の錬金術師 嘆きの丘(ミロス)の聖なる星」
新宿ピカデリー他にて全国公開中
http://www.hagaren-movie.net/キャッチコピー
ついに語られる、禁断の絆の物語。
人は何かの犠牲なしに何も得る事などできない。
守りたいものは、確かにここにある。
ストーリー
錬金術を使いこなす少年、エドワード・エルリックと、その弟であるアルフォンス・エルリックは、自身らの過去の過ちから失ってしまったものを取り戻す方法を探し、アメストリス国中を旅していた。
アメストリスの首都であるセントラルシティにある中央刑務所、そこにはメルビン・ボイジャーという名の囚人がいた。刑期終了を間近に控えていながら、メルビンは新聞のとある記事を読んだことをきっかけに脱獄する。メルビンの使いこなす未知の錬金術を目撃したエルリック兄弟は、その錬金術の詳細を知るために彼を追いかけ、西の大国・クレタとの国境の街・テーブルシティへと辿りついた。
かつては「ミロス」と呼ばれていたという、巨大な崖「デスキャニオン」に周囲を覆われたその街で、エルリック兄弟は1人の少女と出会った。ジュリア・クライトンというその少女の言葉に導かれ、兄弟はその地でかつて起こった惨劇、ミロスの民の過酷な歴史を知らされるのだった。
登場人物 [編集]
詳細は「エドワード・エルリック」、「アルフォンス・エルリック」、「鋼の錬金術師の主要な登場人物」をそれぞれ参照
エドワード・エルリック
アルフォンス・エルリック
ウィンリィ・ロックベル
ロイ・マスタング
リザ・ホークアイ
アレックス・ルイ・アームストロング
ハイマンス・ブレダ
ヴァトー・ファルマン
ゲストキャラクター
ジュリア・クライトン
16歳。「黒コウモリ」を名乗るミロスのレジスタンス組織に所属する、茶色い髪に碧眼の少女。
幼い頃、家族に連れられ、西の大国・クレタに亡命。その後何者かによって錬金術師だった両親を惨殺され、兄とも生き別れ、孤児になっていた所をデスキャニオンのクレタの人々に保護される。祖国・ミロスの復興のために励んでおり、ミロスの人々からの信頼は厚い。
戦士としても優秀で銃などの扱いにも長け、グライダー部隊の一員として戦場にも赴く。錬金術も学んでいるものの、両親が遺した術はまだ使いこなせずにいるが、バタネンから教わった簡易な医療系錬金術を使う。
メルビン・ボイジャー
26歳。中央刑務所からの脱獄した錬金術師の青年。
長い黒髪と首の周囲に大きな傷跡を持つ。両手の平には血で刻んだ錬成陣が記されており、右手で氷、左手で雷を操る。
強盗傷害罪で刑務所に入れられていたが、刑期満了を目前に控えた時期に脱獄。錬金術に精通したエルリック兄弟でも分からない、未知の錬金術を駆使して戦う。
ミランダ
女性ながらに「黒コウモリ」の戦士達を束ねる若きリーダー。
短髪でピアスをつけ、紫色の口紅を引いている。「黒コウモリ」主導部隊である黒装束のグライダー部隊を最前線で指揮を執る勇敢な女性。
クレタとアメストリスの間で起こった争いの中で両親を失っており、仲間を率いて祖国であるミロスを復興しようとしている。ジュリアを黒のコウモリに誘った人物でもある。
アラン
「黒コウモリ」の中核メンバーで、ミランダの右腕的存在。
たくましい顔立ちで心身も屈強。様々な裏工作に携わっている。
トニ
「黒コウモリ」に所属する男性。
捕えられたアルフォンスの監視役を務める。
バタネン
「黒コウモリ」の後見人的存在。医療系の錬金術師。
ミロス復興のためなら自分の命すら厭わない覚悟でジュリア達と共に戦う。
ゴンザレス
テーブルシティを囲む渓谷・デスキャニオンに住む、気の良い機械鎧(オートメイル)技師の老人。
アメストリス人のエド達にも優しく接する。
ペドロ
デスキャニオンを守るミロス人の青年。両親をアメストリスとクレタの動乱で失っているが、ミロス復興を夢見て強く生きる。
カリナ
ジュリアを慕うミロス人の少女。友人のティアと作った腕輪をジュリアにプレゼントし、それがジュリアの祖国復興の意思をより高めることとなる。
ハーシェル
西の大国・クレタの軍人で、国境警備軍とミロス人にとっては聖地であるポロス山から引いた地熱プラントを統括する。階級は中佐。
その顔を覆った白銀色の仮面と屈強な肉体が特徴。多民族国家という歴史ゆえに発達した諜報ネットワーク「狼」を駆使して、ある人物を執拗に探している。
卓越した剣術の使い手で、錬金術にも長ける。
狼キメラ
人間と狼を錬金術で合成させて造られた合成獣(キメラ)。クレタの秘密特殊部隊で、人間の姿と半獣の姿を切り替えられる。一振りで列車の車体に大穴を空けるほどの鋭く長い強靭な爪、研ぎ澄まされた嗅覚、驚異的な跳躍力を持ち、高い戦闘能力を有する。
テーブルシティ行きの列車の中でエドたちと遭遇、戦闘。メルビンを執拗に狙っている。
ソユーズ
テーブルシティを統括するアメストリス軍少佐。不法入国者や「黒コウモリ」を忌み嫌い、駆逐するためなら汚い手段も平然と行う。金にも汚い、いわゆる俗物。
キャスト
エドワード・エルリック - 朴璐美
アルフォンス・エルリック - 釘宮理恵
ウィンリィ・ロックベル - 高本めぐみ
ロイ・マスタング - 三木眞一郎
リザ・ホークアイ - 折笠富美子
アレックス・ルイ・アームストロング - 内海賢二
ジュリア・クライトン - 坂本真綾
メルビン・ボイジャー - 森川智之
ミランダ - 玉川砂記子
アラン - 星野貴紀
トニ - 川田紳司
ハーシェル中佐 - 木内秀信
サントス - 小杉竜一(ブラックマヨネーズ)
カルロス - 吉田敬(ブラックマヨネーズ)
スタッフ
原作 - 荒川弘「鋼の錬金術師」(スクウェア・エニックス刊)
監督 - 村田和也
脚本 - 真保裕一
キャラクターデザイン・総作画監督 - 小西賢一
演出 - 夏目真悟
アニメーションディレクター - 押山清高
メカデザイン - 荒牧伸志
美術コンセプトデザイン - 岡田有章
美術監督 - 岡田有章、小倉一男
色彩設計 - 沼畑富美子
特効 - 谷口久美子
撮影監督 - 武井良幸
音楽 - 岩代太郎
音響監督 - 三間雅文
製作代表 - 夏目公一朗、和田洋一、河村盛文、南雅彦、秋元一孝、濱名一哉、服部洋
プロデューサー - 南雅彦、丸山博雄、大山良、倉重宣之、寺西史、岡田有正、古川慎
アニメーション制作 - ボンズ
製作 - 鋼の錬金術師2011製作委員会(アニプレックス、スクウェア・エニックス、毎日放送、ボンズ、松竹、TBS、電通)
配給 - 松竹、アニプレックス
楽曲
主題歌「GOOD LUCK MY WAY」
作詞 - hyde / 作曲 - tetsuya / 編曲 - L'Arc〜en〜Ciel & Akira Nishihira / 歌 - L'Arc〜en〜Ciel
オープニングテーマ「Chasing hearts」
作詞・作曲・歌 - miwa / 編曲 - Naoki-T
特別版コミックス
先着来場者特典として、オリジナルエピソード収録の特別版コミックス『鋼の錬金術師 第11.5巻 〜旅立ちの前に〜』が先着50万部プレゼントされた。
原作の第45.5話が収録されており、本作の舞台が西の国境・テーブルシティということで出演できなかった、リンやランファン、ハボックやフュリーなども登場している。
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テーマ : アニメ
ジャンル : 映画